――看護師・保健師の国家試験、お疲れさまでした。
 ありがとうございます。自己採点では合格点を取れているので、一安心しています。

――Oさんの大学は、保健師課程が選択制になったそうですが、どうして保健師課程を選択したのですか?
 一番の理由は、自分の選択肢を広げたかったからです。ひょっとしたら、将来保健師になりたいと思うかもしれないし、大学生のうちに資格だけでも取っておこうと思いました。

――保健師として就職することは考えていなかったのですか?
 まったく考えなかったわけではありません。でも、保健師の実習のときに現場の方に「行政のイメージがあるけれど、保健師はあくまで看護師。看護の目線をもってアセスメントする必要があります」と言われて、どの職場でも看護の基礎的な知識・技術が前提になるんだなあと感じました。なので、まずは病棟に入ろうと決心しました。

――看護師と保健師の勉強の両立は大変だったと思いますが、いつごろから保健師の対策を始めましたか?
 私の場合は実習が終わった4年生の9月末からでした。卒論と看護師の勉強に追われて年明けから始めた子もいたのですが、少しずつでも進めようと思って、クラスメートよりは早く始めたと思います。

――具体的には、どんなふうに勉強していったのでしょうか?
 まずは、その日に勉強する範囲を決めて『QB保健師※1』で問題演習をしました。でも、問題演習だけだと問題で問われていることしか覚えられないじゃないですか。なので、問題を解いた後に、関連して覚えたほうがよい知識がないかを『DM保健師※2』で1問1問チェックしていました。

――『QB保健師』で問題演習、『DM保健師』で体系的な学習ということですね。すごく丁寧に勉強されましたね。
 保健師の勉強は、同時に看護師の勉強にもなるので。実際、今回の第105回看護師国試を解いていたときに「この問題、保健師を勉強してなければ解けなかっただろうな」と思った問題が何問かありました。保健師の勉強で「法律・統計」にはすごく強くなったと思います。

――ちなみに、『DM保健師』は今年から、『レビューブック保健師』に名前を変更する予定です。Oさんからみて、2冊の『レビューブック』に使い方の違いはありますか?
 『レビューブック看護』は自宅に置いておき、『QB看護』を解くときの辞書として使っていました。これに対し、『DM保健師』は持ち運びやすく、重要な項目がコンパクトにまとまっていたので、まず『DM保健師』をひと通り読んでから『QB保健師』の問題を解き始めました。看護師の過去問は定期試験の勉強などで見たことがあったのですが、保健師の過去問は国試対策を始めるまで見たことがありませんでした。そのため、『QB保健師』を始める前に『DM保健師』で出題されやすいポイントなどを確認できたのがよかったです。

――最後に後輩の皆さんへメッセージをお願いします。
 4年生になると、卒論や看護師の国試対策が始まり、さらに保健師も勉強するとなるとすごく忙しくなります。どうしても保健師は後回しになりがちですが、少しずつでもいいので早めに始めておくことをオススメします。あと、国試の採点・合格基準などについても調べておいたほうがいいです!私は受験当日まで状況設定問題が1問1点※3だと思っていて、自己採点のときにあまりの点数の低さにびっくりしちゃいました(笑)。
 


※1:『クエスチョン・バンク保健師国家試験問題解説』のこと。『クエバン』とも呼ばれています。800問近い過去問を収録している問題集。豊富なイラスト・図解でわかりやすいのが特長です。
 
※2:『保健師国家試験のためのデータ・マニュアル』のこと。10年分の国試の出題内容をコンパクトにまとめた参考書。2017年度版から看護師に合わせ『レビューブック保健師』に改題しました。保健師の勉強はこの1冊から!
 
※3:保健師の出題数は午前・午後合わせて110問。一般問題1問1点、状況設定問題1問2点の145点満点で、例年、6割の87点が合格のボーダーラインです。Oさんは見逃したようですが、実は上記2冊の冒頭部分(前付)に国試情報を載せています。


 
 

 
――公務員試験・国家試験お疲れさまでした。
 ありがとうございます。

――まずKさんは、どうして看護師ではなく保健師を選んだのでしょうか。
 「対象者に継続してかかわれる」「地域づくりにかかわれる」「様々な年代の人とか
かわれる」といったところに魅力を感じたため、ダメもとで公務員試験にチャレンジしました。確か、決心したのは3年生の夏くらいだったと思います。また、正直に言うと「公務員である」「夜勤がない」という点も大きかったです。

――Kさんは、公務員試験を受験されているため、そちらについて詳しく聞かせていただきます。公務員試験は、具体的にはどのように進んでいくのでしょうか。
 自治体によって日程が違うので、受験する場合はご自身で調べてほしいのですが、私は3年生の3月に願書を出し、4年生の5~6月に一次試験、7~8月に二次試験という流れでした。一次は一般的な知識を広く問う「教養試験」と「保健師の専門試験」、二次は「面接」「適性試験」などを行いました。

――「教養試験」「専門試験」「面接」ですか……。学習方法をイメージしにくいのですが、いつごろからどうやって勉強していましたか?
 まず専門試験対策として、3年生の夏頃に『DM保健師』を購入しました。この時期
は基礎固めということで、空いている時間にパラパラと『DM保健師』を読む程度でした。冬になると『QB保健師』を購入し、4年生になるまでには2周していたと思います。
 教養試験は、市販されているII種・地方上級公務員用の過去問集などで対策をしま
した。本格的に始めたのは3年生の3月です。でも、大学受験のときに「数学」や「社会系科目」が苦手だった・勉強していなかった人はもっと早くに始めたほうがいいと思います。
 面接の対策は、とにかく先生に相談することでした。本番では、事前に志望理由などを書く「面接カード」があるのですが、それを先生に見せて何を質問したくなるかを聞きました。

――公務員試験対策にも、国試の過去問である『QB保健師』を使用するのですね。
 問われる知識は、専門試験も国試も同じですので。それに、公務員試験の過去問は公表されていない自治体が多くて、過去問の問題演習はできないんですよね。基本的には『DM保健師』『QB保健師』を使った勉強になると思います。私の場合は、さらに『公みえ※4』や『国民衛生の動向※5』も活用しました。ただし、論述問題は別で対策する必要があります。

――論述問題は国試にはありませんし、文章力が求められますからね。Kさんはどのような対策をしましたか?
 最初は東京都特別区のように、問題を公表している自治体の問題をやってみました。でもそれもすぐに終わってしまったので、『DM保健師』や『国民衛生の動向』を読みながら自分で出題されそうな問題を作って解き、研究室の先生に添削してもらっていました。

――公務員試験の後、国家試験までは何をされていましたか?
 看護師の国試対策を中心に進めました。看護師の勉強は全然できていなくて、「マズイ、落ちる!」と焦りました。反面、保健師国試は選択肢を見なくても答えが大体かわかるくらい『QB保健師』をやりこんでいたので、直前にサラッと1周する程度でした。

――最後に後輩の皆さんへメッセージをお願いします。
 保健師の公務員試験は情報が少なく、学校もほとんど何もしてくれません。そのため、自分から動くことが何よりも大事だと思います。特に、学校の先生方は的確なアドバイスをしてくださるため、何度でも相談に行きましょう。
 
 


※4:『公衆衛生がみえる』のこと。法律・制度・統計を徹底的にビジュアル化した本。
 
※5:厚生労働統計協会より出されている最新の衛生の動向に関する資料集。『QB保健師』『RB保健師』には、この資料集への参照ページを掲載しています。