
国試対策とは……。教科書を端から端まで覚えること、ではありません。
いろんな参考書を買ってガムシャラに勉強すること、でもありません。
では、国試対策とは何なのか、どう進めればよいのかを4ステップで紹介します。
【1歩目】国試の全体像を知ろう!
突然ですが、知人にプレゼントをするとき、どうやって選びますか? ほとんどの人は「贈る相手が喜んでくれるか」を考えますよね? 実はコレ、国試対策でも同じです。受け取る人(国試)の好み(出題分野)や行動パターン(出題傾向)を知ることで、初めてプレゼント(学習)に価値が生まれるのです。
表1を見てみましょう。この表は、第99~106回看護師国試(※)の2,160問(2,700点)を分野別に集計・分析した配点数ランキングです。
※第103回追試を含む全9回。出題基準が大幅に見直された第99回以降を集計対象にしています
表1 分野別配点ランキング
配点 | ||||||
順位 | 分野* | 出題割合 | 合計 | 必修 | 一般 | 状況 |
1 | 基 | 10.7% | 32.2 | 12.7 | 14.6 | 4.9 |
2 | 社 | 9.3% | 27.8 | 9.9 | 15.4 | 2.5 |
3 | 母 | 8.2% | 24.6 | 1.4 | 7.2 | 16.0 |
4 | 精 | 8.0% | 24.1 | 0.7 | 7.2 | 16.2 |
5 | 小 | 6.9% | 20.7 | 2.6 | 7.9 | 10.2 |
6 | 在 | 6.6% | 19.7 | 0.3 | 7.1 | 12.2 |
7 | 成 | 6.5% | 19.6 | 2.9 | 8.9 | 7.8 |
8 | J | 5.0% | 14.9 | 1.4 | 6.1 | 7.3 |
9 | 老 | 4.2% | 12.6 | 1.9 | 6.7 | 4.0 |
10 | I | 3.8% | 11.3 | 1.1 | 5.1 | 5.1 |
11 | 医 | 3.4% | 10.2 | 3.7 | 4.3 | 2.2 |
12 | C | 3.4% | 10.1 | 1.7 | 4.0 | 4.4 |
12 | 統 | 3.4% | 10.1 | 1.7 | 4.4 | 4.0 |
14 | D | 3.1% | 9.2 | 2.0 | 5.9 | 1.3 |
15 | A | 2.9% | 8.8 | 1.1 | 4.6 | 3.1 |
16 | E | 2.9% | 8.7 | 1.1 | 3.8 | 3.8 |
17 | K | 2.4% | 7.3 | 0.4 | 2.9 | 4.0 |
18 | P | 1.7% | 5.1 | 0.2 | 2.9 | 2.0 |
19 | B | 1.6% | 4.7 | 0.7 | 1.3 | 2.7 |
20 | G | 1.5% | 4.4 | 0.9 | 2.2 | 1.3 |
21 | M | 1.2% | 3.6 | 0.1 | 1.9 | 1.6 |
22 | F | 1.1% | 3.2 | 0.0 | 2.3 | 0.9 |
23 | H | 1.0% | 3.1 | 0.9 | 1.3 | 0.9 |
24 | L | 0.7% | 2.2 | 0.1 | 1.2 | 0.9 |
25 | O | 0.4% | 1.3 | 0.1 | 0.6 | 0.7 |
26 | N | 0.2% | 0.6 | 0.4 | 0.2 | 0.0 |
* 『レビューブック』および『クエスチョン・バンク』の章
※小数点第2位を四捨五入しているため、合計値が合わない箇所がございます。予めご了承ください。
たとえば、1位の基礎看護学では、以下のようなことがわかります。
- 300点満点のうち、32.2点分の出題(必修:12.7点、一般:14.6点、状況4.9点)がある
- 国試全体の10.7%を占めている
- 必修問題と一般問題でよく問われている
この調子で、各分野の傾向をつかんでいきましょう。「この分野は、●点分出題されるからがんばらないと!」「1問2点の状況設定問題で出題されやすいから得点源になりそう」と、これから始める国試対策のモチベーションになるはずです。
【2歩目】「得点につながる勉強」をしよう
各分野の出題割合や特徴はおさえられましたか? では次に、「どこを勉強するか」を考えていきましょう。
結論から言うと、出題されやすいところを中心に勉強することです。当たり前のことではありますが、とても重要な考え方です。
間違った勉強パターンの例
パターン1 A章だけを熱心に勉強
- 結果:A章の問題をすべて正解できても8.8点しか得点できない
- 反省点:A章も大事な得点源ですが、他の分野も勉強が必要です
パターン2 L、M、N、O章だけを熱心に勉強
- 結果:4章分のボリュームはあるが、すべて正解できても7.7点しか得点できない
- 反省点:勉強量はすばらしいですが、勉強すべきところはココだけではありません
パターン3 精神看護学を「苦手だから」と後回し
- 結果:24.1点分の得点チャンスを放棄することになる
- 反省点:合否に直結する問題です。考え方を改めましょう
どうでしょうか。いずれも極端な例ですが、勉強の量だけでなく質も大事ということがわかったと思います。つまり、同じ勉強時間でも、「どこを勉強するか」で得点が変わってくる、もっと言うと、「どこを勉強するか」で合格の可能性が変動する、ということです。
上記のような”MOTTAINAI勉強”をしないためにも、表1を印刷して『レビューブック』や『クエスチョン・バンク』などの目につく場所に貼って、効率よく学習を進めましょう。
【3歩目】「必修40点、一般/状況170点」をゴールに
ここまで読むと、「優先して勉強すべき分野はわかったけれど、どれくらい勉強すればいいの?」という疑問が出てきますよね。過去の国試を踏まえると、「必修40点、一般/状況170点」が合格ラインと考えられます。
この合格ラインに到達するために、「どの分野から何点出題されるから、そのうち何点ずつ得点できるようにしよう」ということを意識して、学習を進めましょう。
【4歩目】配点TOP3をおさえよう
国試の全貌がなんとなく見えてきたでしょうか? 最後に、国家試験の配点ランキングTOP3を紹介します。よく出題されるということは、捨てたら落ちる科目とも言えますので、必ず学習しておきましょう。
第1位 基礎看護学(32.2点/300点)
第2位 健康支援と社会保障制度(27.8点/300点)
第3位 母性看護学(24.6点/300点)
各分野の詳細なレポートは、「【第107回看護師国試】よく出る分野 TOP3」をご覧ください。