看護師を目指す学生さんたちにとって、看護技術の習得は必要不可欠です。しかし、「学校の演習では時間が足りない」「演習だと人数が多くて、疑問を解消できないことがある」という声も……。限られた授業時間のなか大人数で行われる演習では、自信をもって技術が行えるレベルに達することができないのが現状なのです。そこで始まったのが「ギジュツでつながるワークショップ」。淑徳大学、帝京平成大学、西武文理大学、日本赤十字看護大学が共同で開催するこのワークショップでは、自分のペースで楽しみながら、繰り返し何度も看護技術を練習できる場があります。
第一回目に引き続き(前回のワークショップの詳細はこちらから)、第二回目は2019年12月14日に開催。「動きの援助」をテーマに10名以上の学生さんが西武文理大学に集まりました。

反復トレーニングができるから、より良い援助方法が見つかる
今回取り扱った看護技術は、両下肢の筋力が低下した高齢者を想定した「ベッドから車椅子への移動援助」と「車椅子からベッドへの移動援助」の2種類。先生のデモンストレーションのあと、2人1組に分かれて演習を行いました。
授業で一度は経験したことのある看護技術とのことでしたが、なかなかすんなりとはいきません。特に苦戦していたのは、ベッドと車椅子の間を移動する際に用いるスライディングボードの使い方。スライディングボードを置く位置によっては、患者さんが転落してしまう危険性があるため、みなさん真剣な表情です。「スライディングボードの位置は、これで安全かな?」「この移動のやり方は、患者さんが『怖い』と感じてしまうよね」と話し合いながら進めます。少しずつボードの位置を調節して適切な位置を探してみたり、あえて先生のやり方とは異なる方法を試したりしながら、患者さんが安全でかつ移動しやすい援助方法をそれぞれに考えました。
このワークショップには6名もの先生が参加していたため、疑問点があればすぐに質問できます。学生さんと先生が一丸になって,実際に試しながら患者さんの負担にならない援助方法を模索しました。試行錯誤するために多くの演習時間があるのも、すぐに先生に相談できる環境であるのも、このワークショップの良いところですね。
演習を振り返って次に繋げる
演習後のリフレクションの時間では、前回と同様に、うまくいったときの感覚や工夫したこと、自分たちで見つけたコツを惜しみなく共有します。「教わった方法以外にも、患者さんの移動が負担なくできるスライディングボードの差し込み方を発見できた」、「スライディングボードを入れるときや移動させるときに患者さんの重心を考えたら援助しやすくなった」など……みなさん演習中に様々な方法を試すことができたようでした。
その他にも、「下半身に麻痺がある患者さんの場合はどのような配慮が必要か」や「さらに患者さんに安心してもらうためにはどのような声掛けをするのが効果的か」など、今後の実習や臨床現場を想定した配慮についての意見も次々と出てきました。
今回も学生さんの探求心と向上心のもと、実り多いワークショップを行うことができました。みなさんも、看護技術の習得や探求のために、是非参加してみてはいかがでしょう?これまでのワークショップに参加していなくても、いつからでも参加が可能です!
告知!! ギジュツでつながるワークショップ 第4回目開催!
●開催日時
2020年3月7日(土)10時~(13時終了予定)
●テーマ
「ナースも患者もらくらく! 動きの援助」
●開催場所
日本赤十字看護大学
●参加資格
看護系大学 2年生(大学問わず)
●参加費
無料
●応募方法
下記にメールで応募してください。その際、氏名、連絡先(連絡のとれるe-mailアドレス)、所属大学名をお教えください。
※本ワークショップは1〜2か月に1度開催され、会場・日時はその都度案内されます。
●連絡先
ギジュツでつながるワークショッププロジェクト
代表:帝京平成大学ヒューマンケア学部看護学科 准教授 河合桃代
e-mailアドレス:gijututunagaru.wspj★gmail.com
※「★」記号を「@」に置きかえてください
※本ワークショップの主催はギジュツでつながるワークショッププロジェクトであり、メディックメディアではありません。お問い合わせは上記メールアドレスまでお願い致します。