A.追加のデータ収集を検討しますが、情報を得るのが難しい場合は無理に解釈する必要はありません。

まず、追加のデータ収集が可能かどうか考える

アセスメントの視点ごとに「人間の反応」を解釈しようとしても、情報が不足していて解釈できない場合、追加でデータ収集が可能かどうか考えます。その際、前回のデータ収集で収集が難しかったデータであれば、データ収集の方法やタイミングを変える必要があるかもしれません。また、患者さん本人からのデータ収集が難しければ、家族など他の情報源からのデータ収集も検討します。

ただし、セクシュアリティに関わることや看取りの希望など、看護師と患者さんとの間で信頼関係を確立したあとでなければ得られないデータや、現時点で収集が難しいデータを無理に引き出す必要はありません。

情報が得られない場合は、無理に解釈しない

追加のデータ収集が困難で、「人間の反応」の解釈に必要な情報が得られない場合は、無理に解釈する必要はありません。例えば、難病の患者さんをアセスメントするとき、ストレスの根拠となる情報がないのに「難病だからストレスが過剰になっているはずだ」と考えるなど、思い込みや飛躍した解釈は避けましょう。

ただし、アセスメントは一回きりで終わるものではなく、入院中など患者さんと関わる間、常に行うものです。日々の関わりの中で、新たなデータはないか、アセスメントは正確かを考え、新たなデータを得た場合には、改めて詳しくアセスメントする必要があります。そうしているうちに、最初は解釈できなかった「人間の反応」が解釈できるようになることもあります。

関連するQ&A

アセスメントで行う“「人間の反応」の解釈”のゴールは何ですか?
アセスメントの視点ごとに、その人にとって適切な「人間の反応」かどうか解釈するためには、他のアセスメントの視点に含まれる情報も必要ではありませんか?

『看護がみえるvol.4』参照ページ

●“「人間の反応」の解釈”について詳しく知りたい→p.92
●アセスメントの視点ごとの情報とは何か?→p.49
●患者さん本人以外の情報源にはどのようなものがある?→p.71
●様々なデータ収集の方法→p.72
●面接によってデータ収集する際の留意点→p.73


 
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看護がみえるvol.4 看護過程の展開

第1版 B5判 380頁
定価(本体3,300円+税)
ISBN 978-4-89632-801-1
発行日 2020-06-30