A.意欲・願望があっても、ヘルスプロモーション型の看護問題にならない場合もあります。
ヘルスプロモーション型問題の条件
「健康増進への意欲・願望」は、ヘルスプロモーション型問題になる場合もあれば、そうでない場合もあります。
ヘルスプロモーション型問題とは、健康増進への意欲・願望によって強化される可能性のある、良い「人間の反応」のことです。つまり、強化される「人間の反応」が良いものであることと、なりゆきが実現可能であることが条件になります。
ヘルスプロモーション型問題にならない場合の例
次の①・②の場合は、ヘルスプロモーション型問題になる条件を満たしていません。
①強化される「人間の反応」が、良いものではない
例えば、腎機能低下のために水分制限を指示されている患者さんが「代謝を良くするために水分をたくさん摂りたい」という意欲・願望を示す場合や、慢性呼吸器疾患の患者さんが「またタバコを吸えるようになりたいから治療を頑張りたい」という意欲・願望を示す場合は、強化される「人間の反応」が患者さんにとって良いものではないため、ヘルスプロモーション型問題にはなりません。
②なりゆきが実現可能ではない
例えば、歩行できるようになる見込みがない患者さんが「歩く練習を頑張りたい」という意欲・願望を示す場合や、『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』の事例のAさんのように永久ストーマを造設した患者さんが「またお尻から排泄できるようになりたい」という意欲・願望を示す場合は、なりゆきが実現不可能であるため、ヘルスプロモーション型問題にはなりません。
ヘルスプロモーション型問題を挙げる場合は、これら2点を確認しておきましょう。
関連するQ&A
●看護過程で明らかにする「強み」と「ヘルスプロモーション型問題」の違いは何ですか?
『看護がみえるvol.4』参照ページ
●意欲・願望を示す「人間の反応」のなりゆきを分析する手順→p.99
●意欲・願望を示す「人間の反応」のなりゆき分析の例(ヘルスプロモーション型問題になる場合)→p.102
●NANDA-I看護診断の「ヘルスプロモーション型看護診断」の解説→p.120
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