自然気胸事例(Yさん)の睡眠-休息パターンのアセスメント記述例
書籍『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』(以下、『看みえ④』)の事例解説を読んで、レポート用紙に実際にアセスメントを書くときはどうしたらいいの?と困ってしまった方、必見です!
ここでは、Yさんの睡眠-休息パターンのアセスメント(『看みえ④』p.205)の書き方を紹介します。この記述例と解説をもとに、誰がみてもわかりやすい、かつ過不足のないアセスメントの書き方を学んでいきましょう。
Yさんの健康知覚-健康管理パターンのアセスメントの記述例
Yさんの役割-関係パターンのアセスメントの記述例
Yさんの睡眠-休息パターンに関する情報
Yさんは、20歳の大学生、原発性自然気胸で胸腔ドレナージ治療中の入院3日目の患者さんです。アセスメントの前に情報をみておきたい人は、『看みえ④』p.204をみるか、こちらで確認しておきましょう。
Yさんの情報はこちら

※休息・リラクゼーションに関する情報はない.
Yさんの睡眠-休息パターンのアセスメント記述例
アセスメントの記述は、内容によって色分けしています。

記述例の全体像を示します。スクロールすると、それぞれの記述のポイントを解説しているので、それも必ずチェックしましょう!(PCの方は、解説アイコンをタップすると直接解説に飛びます)
睡眠・休息・リラクゼーション

Yさんの睡眠-休息パターンのアセスメント記述例と解説
それでは、Yさんの睡眠-休息パターンのアセスメントの記述例と解説をみていきましょう。
必ずおさえよう、アセスメントの視点
まずは、『看みえ④』で示している睡眠-休息パターンのアセスメントの視点を確認しましょう。この視点で考えると、アセスメントの方向性(結論)が定まり、アセスメントが書きやすくなりますよ!はじめてアセスメントを書く場合、まず右側の「アセスメント項目」(赤字部分)ごとに書いていきましょう。
睡眠-休息パターンのアセスメントの視点 | |
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睡眠・休息・リラクゼーションは適切か | 睡眠習慣・状態は適切か |
休息・リラクゼーションは適切か |
「睡眠習慣・状態」のアセスメント

解説① 書き出しに、「アセスメント項目」を書く
記述の最初に、「アセスメント項目」(黄緑下線)を示すと何について書かれているのかわかり読みやすくなります。ここだけでなく、すべての「アセスメント項目」においても同様です。
解説② 「睡眠習慣・状態は適切か」の視点で解釈したことを書く
まずは解釈の記述です。解釈では、「Yさんの睡眠習慣・状態は適切か」という視点で、Yさんの状態をとらえます。適切か/適切でないか、また、意欲・願望を示すのか、解釈したことを具体的に書きましょう(緑下線)。また、解釈の根拠となった情報(青下線)を必ず書きましょう。情報の記述がないと、なぜそのように考えたのか他の人には伝わりません。
さらに、Yさんのように、適切でない反応がみられる場合、それが実在型問題(紫マーカー)になるため、問題に挙げることを明記するとわかりやすいでしょう。
解釈で現在のYさんの状態がわかったら、次は分析の記述です。特に問題が挙がったら、必ず原因・誘因を分析し、明らかにしておきましょう。なぜなら、看護介入は、問題の原因にまずは介入するのが大原則だからです。

解説③ 「不適切な睡眠状態」になった原因・誘因を書く
現在みられるYさんの「不適切な睡眠状態」になった原因・誘因を書きましょう(ピンク下線)。原因・誘因の分析では、Yさんの基礎情報やアセスメントの枠組みに含まれる情報など収集したすべての情報から原因・誘因を考えます。
解説④ 「不適切な睡眠状態」が今後どうなるか、なりゆきを書く
最後になりゆきを推論した結果を記述します。現在みられるYさんの「不適切な睡眠状態」が、今後どうなるのか具体的に書きましょう(オレンジ下線)。
※睡眠習慣・状態に関して特に目立った強みがみられなかったため記述していません。
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「休息・リラクゼーション」のアセスメント

解説⑤ 情報不足の場合に、根拠のない解釈を書かない
もれなくデータ収集することは大切ですが、一度にすべてのデータを収集することは難しいです。現在のYさんの状態を解釈する時点で、情報が不足していて追加のデータ収集もできない場合は、無理に根拠のない解釈を書こうとせず、情報不足の旨を書きましょう。もちろん追加のデータ収集ができる場合は、データ収集を行い解釈・分析することでYさんの状態をより理解できます。
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この記事を読んで、アセスメントが書けそうかもと少しは思えましたか?
アセスメントを苦手と感じる人は多いですが、何をどんなふうに考えて、書けばよいのかわかれば難しいことはありません。『看みえ④』とともに、アセスメントの核となる「人間の反応」の解釈・分析をマスターして、看護過程を楽しく学んでいきましょう。
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『看護がみえるvol.4』参照ページ
●「人間の反応」とは何か?→p.12
●「人間の反応」の解釈について知りたい→p.92
●「人間の反応」の分析について知りたい→p.95
●原因・誘因の分析、強みの分析の手順を知りたい→p.96
●なりゆきの分析について知りたい→p.99
●Yさんについて知りたい(事例紹介)→p.169〜178
●Yさんのアセスメントについて知りたい→p.190〜221
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